邪馬台国に行きましょう #9
写真家 コバヤシモトユキ / モデル ゆきめ
邪馬台国に行きましょう #9
蜘蛛塚 みやま市
邪馬台国伝説の残るみやま市には蜘蛛塚というのが存在する。権現塚古墳からさほど離れていない位置にある。
倭国、九州北部では天皇派に逆らい支配や納税を拒んだ土地の人々を土蜘蛛と呼んだ。
ここは巫女であり、土蜘蛛の首長、田油津媛の墓とされている。
彼女は神功皇后に誅殺されているが彼女が卑弥呼だったという説もある。
雨の日には塚から赤い水が染み出したという。中の石棺に塗られた朱が溶け出したのだろうとされている。
いまは訪ねる人もなく、さびれっ放しになっている。ゆきめさんは僕の説明を聞きながら何かを想像する。
何度も来た場所だが、今回は雰囲気が違った。沈んでいるように見える彼女に、何を思っているの?と聞いてみた。
彼女は、何でもありません、と答え黙祷を捧げた。
作品、DREAM HORIZON は邪馬台国、現在に残る太古の遺構
それらを組み合わせて理想の邪馬台国を構築するというプロジェクトです。ここではポートレートに特化してスピンオフ版とも言える
”時間旅行 邪馬台国に行きましょう”を連載させていただきたいと思います。