栗田桃花「怒」#4

写真家 薮下剛士 / モデル






















































































































栗田桃花「喜」「怒」









ケータイを見ながら草の上に寝転んでいる





「早く通知が来ないかな」って待っている。





大好きな人とのメッセージのやりとりは、





なぜだかニヤニヤしてしまう。





会話が途切れないように質問を投げかけて、





「ピコン」と通知音が鳴るとうれしくてたまらない。





恋をするひとりの少女。ある物語の主人公。





そんな気持ちを想像して「喜」の撮影に臨んだ。





     *





人前に出ることが好きで、いまはお芝居を中心に頑張っているけれど、





“たったひとり”で感情を表現するのは難しい。





やっぱり、どこかに照れがあるし、





ちょっぴり恥ずかしいと思ってしまう。





     *





「喜」の次は「怒」。





私は、大声を出して怒ることはない。





冷静に相手に問いかけるタイプ。





だから「怒」の感情を表現するのは大変だった。





それで、その気持ちを石に込めようと思った。





力いっぱい石を投げる。





お芝居ならば「バカヤロー!」と言えば怒っているとわかるけれど、





写真だと言葉で伝えることはできない。





そんな違いにも少し戸惑った。





それでも自分なりにやりきった。





いまのすべてを出しきった。





だから、きっと皆さんに届いていると思う。





     *





「好きな感情は?」と聞かれた。





それはもちろん「楽しい」だ。





「喜び」よりも「楽しい」。





楽しいということは、何かに夢中になっているということ。





「寂しい」とか「悲しい」気持ちを忘れられる。





「嫌いな感情は?」と聞かれた。





嫌いなのは「嫉妬」。





自分の劣っている部分に気づいてしまうから。





それでモヤモヤした気分になるのは嫌。





     *





喜び、怒り、哀しみ、妬み、楽しい、悔しい、愛おしい……。





なんで人間は、いろいろな感情を持っているのだろう。





きっと自分の微妙な気持ちをほかの人に伝えたいから。





ほかの人との関わりを持っていたいからだと思う。





私は女優という、気持ちや感情を伝えられる人を目指している。





だから今回、微妙な感情の表現に挑戦できたことは良い経験になった。





そして、ありがたいと思った。





皆さんは、栗田桃花のネガティブポップを





楽しんでいただけましたか? 喜んでいただけましたか?







【撮影】 薮下剛士





【ロゴデザイン】坂下晶夫





【インタビュー】 村上隆保





【モデル】栗田桃花
2004年3月30日生まれ(15歳)、静岡県出身。
ドラマ「ハゲタカ」(テレビ朝日 2018年)にて、ドラマデビュー。
最近では「ワイドナショー」のワイドナ高校生としても出演。
また、オダギリジョー監督の映画「ある船頭の話」(9月23日公開)も控えている。
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