髪山水

写真家 WAKIHIDEHIKO / モデル 八田紗李

私は、自分の記憶の中にプロンプトを打ち込んで自分の見てみたい景色を生成する。
その行為はAIが画像を生成する行為と同じだ
AIがインターネット上から情報を集めて生成するように、
私も自分が見たことのある景色、感情、欲求を集めてきて撮影する。
 
私の頭に、またAIに打ち込むプロンプトは
髪山水(kamisansui)
そんな物は世の中に存在しない
なぜなら枯山水を髪に変えた、私が作った
言葉だから。
枯山水は禅宗寺院で発達し、修行の場として使われ、
また「この世と死後の世界を繋ぐ庭」という意味を持っているのだ。
ならば、なおさら髪にして見てみたい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
出来上がった髪山水は想像通りのもので
想像を超えない退屈なものだった。
 
AIのプロンプトに『髪山水』とだけ打ち込んでみると
全く想像もしない物が生成される。
ただの髪の毛のかたまりや、普通の人物の写真。。。
情報が少ない中で生成された物たち
では、私も『髪山水』を作る過程で生成された
頭の中のイメージを写真にしてみる
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
私が見たかったのは、私が想像通りに作った
写真なのか、バグとして出てきたイメージなのか。
 
 
 
 
 
 
どちらにせよ「この世と死後の世界を繋ぐ庭」に深く惹かれている。