Etude

 丸谷嘉長 / 大串有希

エチュード

エチュードとは、即興である。

今回はその言葉を、台本のない場所に立つこととして捉えた。

被写体は役者だが、与えた役はない。

演じるのは他者ではなく、自分自身。

台本のない世界で本人が本人を演じることは、

自由であると同時に、不安と不自由さを伴っていた。

自分自身を演じようとするほど、

内面は否応なく露わになる。

写真に定着された瞬間、その「素」は透けて見えてくる。

だが、役者が演じることや考えることから

ふと解き放たれたとき、

作為を手放した一瞬に、その人固有の魅力と

オリジナリティが立ち上がる。

 

写真は見た目だけを写すものではない。

指先の緊張、呼吸の間、風になびく髪の毛の先。

微細な情報の集積が、

言葉になる前の内面を静かに語る。

 

私が写したのは、

即興の中で露わになった、

演じない存在そのものだ。

 

丸谷嘉長

Model   大串有希

1997年8月4日生まれ。大阪府出身。16歳で俳優デビュー。

映像を中心に活動しながら、舞台でも経験を積む。

2019年には、at THEATRE演劇祭にてグランプリを受賞。 舞台『フラガール』(‘21年@Bunkamuraシアターコクーン)にて初子役、(22年、‘25年@新国立劇場中ホール)では小百合役の二役を演じ分けた。

 

 

Hair&Make  佐藤寛(KOHL)